「住」のこと

現在の住まいの傾向はおかしくありませんか?「第三の皮膚」と言われる住まいの役割とはほど遠い有り様です。

2007年自宅をイノベーションしました。築90年の木造住宅です。板材も機械でなく職人さんの技でわいて建てた在来工法の家です。わたしも一級建築士である主人もこの家が大好きですので、手を入れてメンテナンスすることはとても重要だと考えています。手を入れてやればやるほど経年変化による味が出ます。子供達が作った凄まじい柱の傷もいい思い出です。

古い木造建築は手入れできる職人さんや建築士が少ないせいか、すぐ解体したがる業者が多いのです。二度と手に入れられない『昔の仕事』に手を入れて現代に蘇らせ、おしゃれに暮らす提案としてイノベーションしました。実験住宅です。なかなかのできで、某リフォームショップの全国大会で優秀賞をいただきました。木造建築も大切に思い、ひどく傷む前にメンテナンスしていけば、長く残せるはずです。この玖波の町は篤姫も宿泊した本陣があり、宿場町として歴史上意味のある町です。町の景観としての『町並み』を大切に思うことはその町の価値を高めます。住んでいるだけで豊かな気分になるのです。少しでも自分たちの町、国の歴史を知り、大切にしてほしいと願うばかりです。